自分に最適なインプラントメーカーはどこ?主要メーカーの特徴を解説

自分に最適なインプラントメーカーはどこ?主要メーカーの特徴を解説

世界中には、数限りないほど多くのインプラントメーカーが存在し、インプラント製品も多種多彩。その性能や品質も、ピンキリと言えます。

ただ、日本で普及しているものに関しては、厳しい基準をクリアした信頼性の高いものばかりです。
国内の一般的な歯科医院で選ばれているインプラント製品は、基本的にどれも問題ない品質と考えて良いでしょう。

とはいえ、インプラントメーカーによって、インプラントに対する「考え方」や「設計思想」が異なり、また、その特徴や得意分野も異なります。

そこで今回は、国内で流通している主だったインプラントメーカーと、その特徴、そして患者さんにとってのメリット・デメリットについて、簡単にまとめました。

もちろん、最終的にどのメーカーを選ぶのかは、患者さまの口腔内状の状態や今後の希望、ご予算によって、多きく変わります。
一概にどのメーカーが良いか?という単純な話ではありません。

最終的には、信頼できるインプラント専門医とよく相談した上で決めるのが良いでしょう。

現在、インプラントを検討している方の少しでもお役に立てれば幸いです。

目次

世界シェアトップクラス(信頼と実績の4大メーカー)

まずは「世界4大インプラント」と呼ばれる4つの有名メーカーから紹介します。
どのメーカーも長い歴史を持ち、過去の症例数も多く、研究データ・シェアが圧倒的なメーカーと言えます。

“世界シェアNo.1” ストローマン(Straumann/スイス)

ストローマン(Straumann/スイス)のインプラント

ストローマンは、精密機械産業で有名なスイスのメーカーで、インプラントでは世界シェアNo.1。
1954年にスイスで設立された同社は、70年以上の歴史を持つ業界のリーダーと言えます。

ストローマンの最大の特徴は、学術団体・ITI(International Team for Implantology)と連携していること。
豊富な臨床データに裏打ちされた科学的根拠に基づく製品開発で有名です。

特に「SLActive」という独自の表面加工により、骨とインプラントが結合するスピードが非常に速いのが強みとなっています。

ストローマンを選ぶメリット

1)治癒が早い
一般的に高齢の方は回復力に個人差があります。
ただ、ストローマンは、骨との結合のスピードが早いため、比較的短期間で「しっかり噛める」状態まで回復できるとされています。

2)身体への負担軽減
「ロキソリッド」という強度の高い素材により、細いインプラントでも十分な耐久性があるとされています。
骨を削る量を最小限に抑えられるため、身体への負担も比較的軽いとされます。

3)世界シェアNo.1の安心感
世界シェアNo.1と言われるだけあり、ストローマンは世界中で普及しています。
そのため、もし将来転居したり、旅先でトラブルが起きたりしても、現地の歯科医院で対応してもらえる可能性が極めて高いとされています。

ストローマンを選ぶデメリット

優れた品質の材料を用いているだけでなく、膨大な研究費がかかっているため、コストが高いのが、唯一の欠点と言えるかもしれません。
ストローマンのインプラントは、他メーカーのインプラントと比較して、治療費が高額になる傾向があります。

“世界で初めて実用化” ノーベルバイオケア(Nobel Biocare/スウェーデン・スイス)

ノーベルバイオケア(Nobel Biocare/スウェーデン・スイス)のインプラント

ノーベルバイオケアは、近代インプラントの生みの親であるブローネマルク博士が設立した、世界で最も歴史のあるメーカーです。(企業の設立はスウェーデン、現在の本社はスイス)

ブローネマルク博士は、1965年に世界で初めて歯科用インプラントの実用化に成功した人物。彼が設立に携わったノーベルバイオケアは、「近代インプラントの先駆者」とも呼ばれています。

最大の特徴は、インプラントの歴史そのものと言える「圧倒的な長期症例データ」に基づいた信頼性です。

ノーベルバイオケアを選ぶメリット

1)「オールオン4」のパイオニア
総入れ歯の方でも、最小4本のインプラントで全ての歯を支えることができる手法「オールオン4」を得意としています。
骨が少ない方や、手術当日にも仮歯を入れて食事を楽しみたい方に向いているとされます。

2)骨への馴染みが良い
独自の表面加工(タイユニット)により、骨と強力に結合しやすいと言われています。
そのため、骨質が柔らかい方でも安定した固定が得られやすいとされています。

3)世界100ヵ国以上に普及
ノーベルバイオケアのインプラント製品は、世界100カ国以上で普及しています。
万が一旅先や引っ越し先でトラブルが起きても、対応できる歯科医院がすぐに見つかる安心感があります。

ノーベルバイオケアを選ぶデメリット

前述のストローマンと同様に、プレミアムブランドであるため、どうしても費用が高くなる傾向にあります。
コストの高さが、ノーベルバイオケアを選ぶ大きなデメリットと言えるでしょう。

“人工関節でも有名” ジンヴィ(ZimVie/旧ジンマー・バイオメット/アメリカ)

ジンヴィ(ZimVie/旧ジンマー・バイオメット/アメリカ)のインプラント

ジンヴィは、世界的な医療機器大手である「ジンマー」と「バイオメット」の歯科部門が統合し、2022年に誕生したメーカーです。

同社は、整形外科(人工関節)の分野で世界トップクラスの技術を持っており、そのノウハウを歯科に転用することで独自の製品を開発しています。

最大の特徴は、インプラント製品に「トラベキュラーメタル」という素材を採用している点です。
この素材は、人間の骨の構造に極めて近い多孔質(スポンジのような構造)で、骨との馴染みが非常に早いとされています。

ジンヴィを選ぶメリット

1)骨が弱い方でも安心
独自の素材(トラベキュラーメタル)が「骨の身代わり」のように機能し、自分の骨がインプラントの中に入り込んで一体化しやすいと言われています。
そのため、骨質が柔らかい方や、骨が薄いご高齢の方でも高い成功率が期待できるとされます。

2)早期の安定感
手術直後から、構造体が骨とガッチリ固定されやすいため、早い段階で噛む喜びを取り戻せる可能性が高いとされます。

3)確かな耐久性
ジンヴィは、長年、人工関節などで培われた金属加工技術を応用して製品開発を行っています。
そのため、インプラント自体の強度が非常に高く、長期的な使用に適しているとされます。

ジンヴィを選ぶデメリット

ジンヴィのインプラント製品は、特殊な加工技術を用いているため、コストが高くなる傾向にあります。
また、日本でのシェアと知名度は、ストローマンやノーベルバイオケアに比較して、一段劣ると言えます。

“骨を守る設計” アストラテック(Astra Tech/スウェーデン)

アストラテック(Astra Tech/スウェーデン)のインプラント

アストラテックは、もともと製薬大手アストラゼネカ社のグループ企業で開発されたインプラント・ブランドです。
現在は、歯科業界の最大手メーカーの1つデンツプライシロナ社の傘下となっていますが、独立したブランドとして高い評価を得ています。

最大の特徴は、徹底的に「骨を守る」ことを追求した設計にあります。
「マイクロスレッド」という微細なネジ山を用いることで、インプラント周囲の骨が痩せるのを防ぐ、画期的な構造を持っているとされます。

アストラテックを選ぶメリット

1)骨が減りにくい
一般的に、インプラントを施術すると、年と共に周囲の骨が少しずつ減る傾向があるとされます。
アストラテックは、この課題解決に注力しているメーカー。
同社の製品は、骨を維持する力が非常に高く、長期的な安定感に優れているとされます。

2)緩みや感染に強い
アストラテックのインプラント製品は、部品の結合部が非常に精密で、ネジの緩みや細菌侵入を抑える構造となっています。
そのため、清潔な状態を保ちやすく、インプラント周囲炎のリスクを低減できると言われています。

3)見た目の美しさ
骨が減ると、歯茎のラインが下がって見た目に影響が出てきます。
その点、アストラテックでは、骨が減りにくいため、天然の歯に近い見た目を長く維持できる(審美性が高い)とされています。

アストラテックを選ぶデメリット

他の4大メーカー同様、高級ブランドであり、治療費が高くなる傾向になります。
また、他のメーカーのインプラント製品と比較し、構造が精密な分、取り扱う歯科医師に、高度な技術が求められるとされます。

デジタル・機能性重視のメーカー

世界4大インプラントメーカーに負けるとも劣らない、独自の特色を持ったメーカーたち。
最新のデジタル技術に注力するメーカーや、機能性の追求など、個性的なメーカーをピックアップします。

“歯科業界最大の総合メーカー” デンツプライシロナ(Dentsply Sirona/アメリカ・ドイツ)

デンツプライシロナ(Dentsply Sirona/アメリカ・ドイツ)のインプラント

世界4大インプラントメーカーの1つ「アストラテック」を傘下に持つ、歯科業界最大の総合メーカーです。
「アストラテック」以外にも「アンキロス」といった超一流ブランドを複数抱えています。

100年以上の歴史を持つ米国のデンツプライ社と、ドイツのシロナ社が2016年に統合して誕生した、世界最大の歯科総合企業です。

最大の特徴は、インプラント本体だけでなく、CTや3Dスキャナー、設計ソフトまで全て自社で手がける総合力にあります。

デンツプライシロナを選ぶメリット

1)精密なデジタル治療
診断から手術ガイドの作製、被せ物の設計まで、すべてコンピュータで行う「デジタル歯科」に強いとされています。

最新のスキャナー技術により、口腔内の型取り(粘土のような材料を使用する)の負担を減らしつつ、デジタル技術を駆使した、精密でミスの少ないインプラント治療が受けられるとされます。

2)長期の安心感
デンツプライシロナは、歯科業界での世界シェアが極めて高いメーカーです。
そのため、数十年後でもパーツの供給が途絶える心配がほとんどないとされています。

3)幅広い選択肢
前述の「アストラテック」の他、複数の超一流ブランドを保有しているため、患者さん一人ひとりの骨の状態に合わせた最適なインプラントを選びやすいのが強みと言えます

デンツプライシロナを選ぶデメリット

歯科医院で、デンツプライシロナを扱う場合、CTや3Dスキャナー、設計ソフトなど、インプラントを提供する場合に必要な総合的な構成が大きくなります。
これには、コストとスペースが必要なため、一般的に小規模なクリニックでは導入しづらい傾向があります。

ですから、日本では扱っている歯科医院が少なく、また、当然ながらインプラントそのものも高額になりがちとされる点が、大きなデメリットと言えるかもしれません。

“噛む力が強い” カムログ(Camlog/ドイツ・スイス)

カムログ(Camlog/ドイツ・スイス)のインプラント

1994年にドイツで設立されたAlataecが開発したインプラントシステムで、現在は、スイス・バーゼルに本拠地を持つカムロググループの一員としてカムログ・インプラントシステムを製造しています。

日本では、2000年代初頭から、アルタデント社が代理店として扱っています。

カムログは、日本での知名度は低いですが、母国ドイツでは非常に高いシェアを誇っており、頑丈さと精密さに定評があります。

最大の特徴は、「チューブ・イン・チューブ」という独自の構造を採用していること。
これは、インプラント体(根っこ)と土台を繋ぐ独自構造で、部品同士が隙間なくピタッと噛み合い、ネジの緩みや破損が起きにくい「圧倒的な安定感」を実現しているとされます。

カムログを選ぶメリット

1)「噛む力」に強い
独自の構造「チューブ・イン・チューブ」により、義歯のガタつきが抑えられると言われています。
そのため、自分自身の歯のように力強く噛むことができるとされます。

2)高い安全性
ヨーロッパでトップクラスのシェアを誇り、長年の臨床データが豊富。
インプラント本体には、身体に優しい素材が使われており、高い安全性を誇っているとされています。

3)清潔を保ちやすい
ドイツらしい精密な作りで、細菌が入り込む隙間が最小限と言われます。
そのため、インプラント周囲炎のリスクが少ないとされます。

カムログを選ぶデメリット

ヨーロッパ(得にドイツ)で高いシェアを持っているとはいえ、世界4大メーカーなどに比べると知名度が低くなっています。

また、製品の品質は優れていますが、日本でのシェアが低く、国内で扱っている歯科医院が少ないことはデメリットになるでしょう。
引っ越しなどで転院が必要な場合の選択肢がかなり限られると言えます。

“若々しい見た目を実現?!” バイオホライズンズ(BioHorizons/アメリカ)

バイオホライズンズ(BioHorizons/アメリカ)のインプラント

1994年にアメリカのアラバマ大学の研究をベースに誕生したメーカーで、科学的根拠を極めて重視するメーカーとされています。

日本では、カイマンデンタル社が輸入代理店となっています。

最大の特徴は、「レーザーロック(Laser-Lok)」という加工技術にあります。
これは、インプラントの首の部分にレーザーで目に見えないほど微細な溝を作る加工技術で、この微細な溝の効果で、歯ぐき(軟組織)がインプラントに直接結合するのをサポートするとされます。

バイオホライズンズを選ぶメリット

1)見た目が若々しく保てる
「レーザーロック(Laser-Lok)」での加工により、歯ぐきがインプラントにピタッと吸い付くように密着するとされます。
そのため、年数が経っても歯ぐきが下がりにくく、自然な見た目を維持しやすいと言われています。

2)感染症に強い
歯ぐきがしっかり封鎖されることで、細菌の侵入によるインプラント周囲炎や、土台となる骨が痩せるのを防ぐ効果が期待できるとされます。

3)長期的な安全性が証明
バイオホライズンは、大学での研究がベースとなっているだけあり、科学的なデータが豊富とされています。
そのため、長期的な安定性が証明されていると言えるでしょう。

バイオホライズンズを選ぶデメリット

バイオホライズンは、世界的にはシェアも大きいメーカーですが、日本国内では知名度も低く、取り扱う歯科医院も限定されています。
引っ越しなどによる転院が必要になった場合、対応している歯科医院を探すのに苦労する可能性が高いと思われます。

新興バリューメーカー

ヨーロッパの主流メーカーよりも遅れて設立したメーカーばかりで、年月に裏付けられた実績はこれからです。
ただ、先行するメーカーの製品や技術を良く研究しており、近年、高品質と低価格で台頭して来ています。

“アジアシェアNo.1” オステム(Osstem/韓国)

オステム(Osstem/韓国)のインプラント

1997年に韓国で設立された新興メーカーです。
欧米の古参メーカーに比べれば歴史が浅いメーカーですが、先行するメーカーの技術を積極的に取り入れ、研究開発費も莫大な金額を使用するなど、急速に成長しています。
その結果、今やアジアNo.1、世界でもトップ5に入る巨大メーカーに成長しました。

最大の特徴は、最先端の「表面処理技術」にあるとされます。

特に、骨との結合を早める特殊な加工(CA表面処理など)が施されており、骨の回復がゆっくりな年配の方でも、比較的早くしっかりと固定されるのが強みと言われています。

オステムを選ぶメリット

1)優れたコストパフォーマンス
欧米の老舗高級メーカーと同等の高い品質を維持しつつ、比較的リーズナブルに治療を受けられることが多いとされます。

2)アジア人向けの設計
一般的にアジア人は欧米人よりも骨格が細く、欧米の規格では大きすぎるケースが多いとされます。
その点、オステムの場合、韓国製ということもあり、同じアジア人である日本人の骨格や歯のサイズに馴染みやすい形状をしているとされます。

3)日本での普及率の高さ
インプラントメーカーとしては新興ですが、日本国内での採用数が非常に多いとされます。
そのため、もし将来転院が必要になっても、メンテナンスを受けられる医院が見つかりやすい安心感があります。

オステムを選ぶデメリット

インプラントは、欧米の大手メーカーの中には50年以上の歴史を持つ企業が多く、そういった最古参メーカーに比べると、歴史が浅いと言えます。

インプラントの施術後、30年以上経った場合の事例は、これから蓄積することになる点は、オステムの弱点と言えるかもしれません。

“世界シェア急成長中” デンティウム(Dentium/韓国)

デンティウム(Dentium/韓国)のインプラント

前述のオステムと並び、急速に世界シェアを伸ばしている韓国のメーカーです。

設立は2000年と、欧米の古参メーカーに比較すると歴史は浅いですが、現在では世界80カ国以上で採用されるなど、急速に成長しています。

最大の特徴は、世界シェアNo.1のメーカーと同じ「S.L.A.表面処理」という高度な技術を取り入れている点にあります。
デンティウムのインプラント装置は、骨と素早く、かつ強固に結合するとされます。
そのため、骨の回復に時間がかかる年配の方でも安心して治療を受けられる設計と言われています。

デンティウムを選ぶメリット

1)早い・強い・安定する
「S.L.A.表面処理」のおかげで、骨とのなじみが非常に良く、短期間でしっかりと噛めるようになることが期待できるとされています。

2)アジア人に最適な設計
オステムと同様、韓国のメーカーらしく、アジア人の顎の骨格や歯のサイズに合わせた形状をしていると言われています。

3)納得のコストパフォーマンス
欧米の老舗ブランドに匹敵する高品質を維持しつつ、比較的リーズナブルに治療を受けられるのが大きな魅力です。

デンティウムを選ぶデメリット

設立50年以上という長い歴史を持つ欧米の最古参メーカーに比較すると、約25年と歴史が浅いことがデメリットと言えます。
施術後30~50年といった長期間のデータは、これから蓄積されていく形になります。

また、同じ韓国のメーカー・オステムに比較すると日本国内で採用している歯科医院が少なく、転院などの選択肢が限られる可能性がある点も、ややマイナスかもしれません。

“高品質を適正価格で” インプラントダイレクト(Implant Direct/アメリカ)

インプラントダイレクト(Implant Direct/アメリカ)のインプラント

「最高品質の治療を、より多くの人が受けられる価格で」をコンセプトにしたアメリカのインプラントメーカー。
インプラント開発の天才として知られるニズニック博士により、2004年に設立。
その後、世界最大級の歯科グループ・Envistaの一員となり、信頼性はさらに高まったとされます。

最大の特徴は、他の一流メーカーの優れた形状をさらに改良し、手術に必要な部品を一つにまとめた「オールインワン包装」で効率化を図っている点。
これにより、高い費用対効果を産むとされています。

インプラントダイレクトを選ぶメリット

1)高い費用対効果
欧米の超有名メーカーと同等以上の高い加工精度を持ちながら、製品や流通の合理化により、コスト削減に成功しているとされます。

2)実績ある設計
世界中で広く成功している形状をベースに設計されているため、骨との馴染みが良く、安定した噛み心地を長く維持しやすいと言われています。
また、ノーベルバイオケアなど他の主要メーカーと、備品の互換性がある製品も多く、その点も評価されています。

3)部品供給の安心感
インプラントダイレクトは、現在、世界的な巨大歯科グループの傘下にあります。
そのため、将来にわたって部品の供給が途絶えるリスクが非常に低いと言えるでしょう。

インプラントダイレクトを選ぶデメリット

インプラント業界では有名ですが、一般的な知名度が低く、馴染みが無いメーカーです。
また、世界的には普及していますが、日本国内で採用する歯科医院は、まだそれほど多くないため、転院が必要になった場合、歯科医院の選択肢がかなり限られます。

国産インプラントメーカーはどう?

日本のインプラントの現状を見ると、ストローマンやノーベルバイオなど、日本では海外のメーカーが人気です。
ただ、日本のメーカーにも優秀なメーカーは多く存在します。

特に、日本のメーカーの多くは、最初から日本人の「顎の骨格」に合わせて、インプラントを開発しており、日本人に向いたインプラント装置と言えるでしょう。

一般的に、日本人は欧米人よりも骨格が細いとされており、欧米人の顎の骨格に合わせたインプラント装置では、大きすぎて合わないと言われています。

近年、欧米メーカーもアジア人向けの規格を開発していますが、最初から日本人向けに開発された点は、国産インプラントメーカーのアドバンテージと言えるかもしれません。

なお、サイズなどの規格の種類も欧米企業よりも多く用意されており、一人一人異なる骨格にぴったりのサイズのインプラントを選びやすいのも国産メーカーの特徴とされます。

“日本でのインプラント先駆者” 京セラ

京セラのインプラント

京セラは、ファインセラミックスの専門メーカーとして、“経営の神様”稲盛和夫氏が1959年に設立した会社です。
現在は、セラミックスだけでなく、電子部品や半導体部品から医療用製品まで幅広く提供しています。

その京セラは、インプラントの世界では、日本における先駆者的存在。
1970年代からインプラント開発を手掛けており、日本で最も歴史と実績があるメーカーの一つです。

祖業であるセラミックス技術の応用からスタートし、現在は、チタン製の「POI」や、最新の「FINESIA(フィネシア)」が主力となっています。

最大の特徴は、日本人の細い顎の骨にも馴染みやすい形状を追求していること。
京セラのインプラント製品は、骨と結合しやすく、インプラント歯周炎にもなりにくいとされています。

京セラを選ぶメリット

1)日本人の最適な形態の追求
日本人と欧米人では、顎の骨格そのものがかなり違うとされています。
最近では、欧米の主流メーカーもアジア人向けの規格を導入していますが、最初から日本人向けに開発されている点では、一歩リードしていると言えるでしょう。

2)圧倒的な国内シェア
国産インプラントでは、日本国内No.1のシェアを誇ります。
導入している国内の歯科医院も多く、もし引越しをしてもメンテナンスを受けられる医院が見つかりやすいという「安心感」は国内随一と言えます。

3)骨との結合が早い
京セラのインプラント製品は、表面に「ハイドロキシアパタイトコーティング」が施されています。
この独自の表面処理技術により、骨の状態が万全でない年配の方でも、骨とインプラントが強固に結びつきやすい設計となっているとされます。

京セラを選ぶデメリット

日本国内では知名度も高くシェアも大きい京セラですが、海外でのシェアは低くなっています。
海外での長期滞在や移住などの予定がある場合、現地でのメンテナンスや対応が難しい可能性が高いと思われます。

“高い品質と審美性” アドバ

アドバのインプラント

100年以上の歴史を持つ、日本が世界に誇る総合歯科器材メーカー・株式会社ジーシーが提供するインプラントブランドです。

株式会社ジーシーは、歯科材料全般を扱っている企業であり、口腔内全体の調和を考えた製品作りを強みとしています。

最大の特徴は、インプラント本体だけでなく、その上に被せる人工歯の材料(セラミックなど)までをトータルに提供していること。
どちらの品質も高いレベルにあり、歯科医師からの信頼が非常に厚いとされています。

アドバを選ぶメリット

1)総合力の高さ
本来が、世界的に有名な歯科材料全般を扱う企業であるため、インプラント本体だけでなく、その上に被せる人工歯の材料なども高品質のものを供給しています。
その総合力の高さには定評があります。

2)審美性が高い被せ物
アドバは、被せ物の色や形の再現性が高く、見た目が非常に自然で美しい仕上がりになりやすいとされています。
審美性に優れたインプラントに向いているでしょう。

3)徹底した品質管理
日本企業ならではの細やかな品質管理基準で有名です。
その製品は、不具合が極めて少ないことで知られています。

アドバを選ぶデメリット

国内メーカーの中では「ブランド力」があるため、他の格安メーカーに比べると治療費がやや高めに設定されていることがあるとされます。

“日本の歯科医師が日本人のために” プラトンジャパン

プラトンジャパンのインプラント

「日本の歯科医師が日本人のために」というコンセプトで1996年に設立されたのが、株式会社プラトンジャパンです。

最大の特徴は、まさに「日本人のためのインプラント」ということにあります。
欧米人に比較し、骨そのものが柔らかく、幅も狭い傾向にある日本人の顎の構造を徹底的に研究して開発されたとされています。

また、現場で実際に施術する歯科医師の意見が、ダイレクトに、開発に反映されている点も特徴と言われています。

プラトンジャパンを選ぶメリット

1)日本人の骨格に最適
日本人の骨格を徹底的に研究して開発されただけあり、日本人の骨格に最適なインプラントと言われています。
サイズバリエーションも多く、施術の際に無理に骨を削りすぎず、小さな負担で埋め込めるような工夫が随所に施されているとされます。

2)シンプルな構造
インプラントメーカーとしては後発ですが、その分、部品の種類が整理されていると言われています。
部品点数が少なく、シンプルな構造をしているため、手術時間の短縮や、トラブル時の対応がスムーズに行える点が強みと言えます。

3)精密加工で感染症に強い
シンプルな構造をしているだけでなく、非常に高度な精密加工技術で加工されているため、部品間の隙間や動きが最小限に抑えられているとされます。
そのため、インプラント歯周炎のリスクが低いと言われています。

プラトンジャパンを選ぶデメリット

欧米の最古参メーカーや日本の京セラなどと比較すると、その歴史は浅いと言えます。
(それでも設立から30年以上になりますが…)
数十年単位の長期的な症例データ量では、老舗メーカーに一歩譲る部分があると言えます。

“シンプル・イズ・ベスト” AQBインプラントシステム

AQBインプラントシステムのインプラント

2018年に設立されたAQB・ABIインプラント株式会社が提供するインプラントシステムです。

「シンプル・イズ・ベスト」を体現した、非常に合理的なインプラントメーカーといわれています。

最大の特徴は、再結晶化ハイドロキシアパタイト(HA)という、骨の成分に近い材料をコーティングする技術に長けていることです。
この表面処理により、インプラントと骨との一体化を劇的に早めることができるとされています。

AQBインプラントシステムを選ぶメリット

1)治療期間の短縮
再結晶化ハイドロキシアパタイト(HA)による表面処理のため、骨との結合が非常に早いとされています。
手術から実際に噛めるようになるまでの期間が、比較的、短く済むといわれています。

2)手術の負担軽減
1回の手術で済む「1回法」を得意としており、手術を怖がる方や、通院回数を減らしたい年配の方に向いているとされます。

3)低価格で提供
他のメーカーに比較して、構造もシンプルで施術回数も少なく済むケースが多く、治療費用も抑えられる傾向が高いとされます。

AQBインプラントシステムを選ぶデメリット

構造がシンプルなため、骨の状態が非常に悪い場合などは、他の複雑な形状を持つメーカーの方が適しているケースもあるとされます。

また歴史が浅いため、長年使用した場合の症例に乏しいこともデメリットとなるでしょう。

“人体との高い親和性” ブレーンベース

ブレーンベースのインプラント

プレーンベースは、1988年に設立されたメーカーで、大学病院や研究機関との共同研究をベースにした、科学的根拠を重視するメーカーとされています。

「mytis」などのブランドを持ち、特にインプラント製品の表面処理技術に強いこだわりを持つメーカーと言われています。

インプラントは、その名称の通り、「体内に異物を入れる」技術です。
本来、異物は対外に排出されるものであり、表面処理により、抵抗感を最小限にする工夫に定評があります。

ブレーンベースを選ぶメリット

1)人体との高い親和性
ブレーンベースのインプラントは、人体からの抵抗感を最小限に押させる表面処理技術や、精密な設計と加工により、骨にしっかりと固定されるとされています。
そのため、装着時の違和感が少なく、噛みやすいインプラントと言われています。

2)感染症リスクも低い
骨だけでなく、周囲の歯ぐきとの馴染みも良いため、インプラントの天敵であるインプラント周囲炎のリスクを抑えやすい設計とされています。

3)丁寧なモノづくり
職人気質な製造工程で知られ、ネジ一本に至るまで精密に作られています。
また、その品質と安全性の高さから、日本製では唯一、アメリカ食品医薬品局(FDA)の認証を受けたインプラント製品となっています。

ブレーンベースを選ぶデメリット

海外の大手メーカーや他の国産メーカーと比較しても、メインで採用する歯科医院が少ないことがデメリットと言えるでしょう。
転院する際など、対応する歯科医院の選択肢が限られます。

インプラントメーカー選びのコツ

インプラントメーカー選びのコツ

ここまで、日本の歯科医院で使用されている主だったメーカーについて紹介してきました。
では、実際、どのメーカーを選べば良いのでしょうか?

長い歴史と豊富な実績、無数の症例を持つ欧米の最古参メーカーや、先行するメーカーの高い技術を学び、独自に発展した韓国を中心とする新興メーカー、そして、最初から日本人向けに特化した開発を行って来た国内メーカー。
それぞれにメリットとデメリットがあります。

世界には、ここで紹介しきれなかった無数のインプラント・メーカーが存在ます。
ただ、日本の歯科医院では、基本的に、厳しい基準をクリアしたインプラントだけが使用されているケースが大半です。
ですから、日本国内の通常の歯科医院であれば、どのメーカーを選んでも、ある程度のクオリティは担保されていると言えるでしょう。

でも、自分自身に最適なメーカーを選びたいのは誰しも感じるところです。
実際、インプラントは、患者さんの口腔内の状況や健康状態、体力、もちろん予算など、さまざまな条件から、最適なものを選ぶ必要があると言えます。。

知名度が高く、実績豊富な世界的なメーカーが万人に合う…とは言い切れない部分も多々ありますし、場合によっては、あまり知られていないメーカーのインプラントの方が、口腔内の状況には最適だった、という場合もあります。

どのメーカーを選ぶのが良いのか?
それは患者さん次第ともいえるのです。
ここは、インプラントの知識と経験が豊富な歯科医師としっかり、そして納得いくまで検討するのがお勧めです。

そしてもう1つ、重要なことがあります。
それが、「主治医がそのメーカーの扱いにどれだけ慣れているか」です。

メーカーごとに異なる特徴をしっかり理解し、適切な施術を行えるかどうか?
そこがインプラント成功の最も重要な鍵となります。

実際に使用するメーカーの特性を良く知り、経験豊富な歯科医師を選ぶことがポイントとなってきます。

この2つを考えた上で、自分に最適なインプラントを選ぶ場合にお勧めなのは、あなたのインプラント施術を担当する歯科医師に「なぜこれをお勧めするのですか?」と質問することです。

明確な理由が帰ってくれば、大いに参考になるでしょう。
もちろん、その理由に不信感が湧くようでしたら、他の歯科医院を選択することも選択肢になります。

なお、インプラントについて歯科医院で相談する際は、保証期間やメンテナンス体制についても、詳しく確認しておくことも忘れずに。
ここを怠ると、後々、大きなトラブルになりかねません。

この記事を書いた人

西原歯科医院の歯科衛生士です。一般歯科、審美歯科に関する情報、特に、歯列矯正治療、インプラント治療、審美セラミック治療などについて情報発信しています。歯科治療に関する、皆さまの「なぜ?なに?」に答えられるように一生懸命がんばります!

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